MASARU KAWAI

MASARU KAWAI

金輪寺

2021 08 19

金輪寺茶器を作っている。

本歌は京都大雲院にあり、後醍醐天皇、足利義政-義昭、織田信長、大雲院とわたったと言われている。
木工品の中で最も格の高いもののひとつではないだろうか。
材は蔦である。
なぜ蔦を使うのか、正当な理由があったのだろうが、今となっては知る由もない。
しかし私的に解釈するならば、以下のようになる。

蔦は自立することなく他の木に絡んで成長する。頑丈な幹を作ることに力を注がず、その分早く体を伸ばし葉を広げ繁殖するという生き方を選んだ。
そして蔦に絡まれた木は、十分に成長することができず枯れてしまう。このため、林業家は蔦を見つけると親の仇のようにすぐさま鉈を振るって断ち切ってしまう。
そんな一見悪者に見える蔦だが、大きく自然界を俯瞰して見れば、木を枯らすことは暗い森の中に光を届けることであり、新たなる命の芽吹きに大きく関与しているのだ。

当時の人がどこまで考えていたかは分からないが、少なくとも、現代に生きる我々とは比べものにならないほど自然と密接に繋がっていただろうことは疑いようがない。

話を戻そう。

いかに生命力の強い蔦といえども、茶器になるような太さのものはなかなか無い。
しかし3年前、山で偶然これを見つけたことから、金輪寺を作ると心に決めた。

伐ってすぐ適当な長さに切り、水に漬ける。アクを抜き材を安定させるためだ。1〜2週間に一回水を変えるのだが、これが相当に臭い。まるで生ゴミが腐ったような強烈な臭い。琥珀色のゼリーのようなものが木部から滲み出し、水はすぐドロドロに。臭いに誘われ様々な虫たちが産卵に来る。
鼻をつまみながら水を変え続けること一年、嫌な匂いはようやく少なくなってくる。

ここからようやく乾燥段階。
タワシで材をよく水洗いし、風通しの良い日陰で一年放置。
その後、樹皮を剥ぎ取り、所定の長さに切断、中心に40パイほどのキリで穴を空け紐でからげ、さらに一年放置。
これでやっと仕事に取り掛かる準備ができる。

あとはいつもの木工仕事と同じ。
木地ができたら漆の作業。

時間はかかるが、一から自分で準備した材で仕事をするのは、とにかく楽しい。
これで良いものができたならば、もうやることは無いとすらと思う。

出来ないのだが…

カエデの盆

2021 06 28

模様は自然のカビ
生から死へ向かう途上。

個展のご案内

2021 06 14

しぶや黒田陶苑

2021.7.2(金)-7.6(火)
渋谷区渋谷1-16-14 1F
11:00-19:00

よろしくお願いいたします。

新作

2021 06 07

京都白田での展示会、終了しました。

告知はできませんでしたが、最終日は在廊が叶い、多くのお客様とお話しすることができました。
遠路お越し下さった皆さま、ありがとうございました。

今回、石井夫妻、金森くん、僕の三者で話し合い、あえて挑戦的な展示を目指しました。
ある部分では成功したと思いますが、ある部分では反省の残る結果に。
でも、来てくださった方には楽しんでいただけたかと思います。

この展示は8月に福岡へ巡回となります。
そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

風韻
川合優  金森正起

2021年5月22日(土)-30日(日) 
26日(水)休廊 11:00-18:00
作家在廊日: 22日
gallery白田
622-0233 京都府船井郡京丹波町森山田7
T 0771 82 1782 www.dokkatouyu.com

-DMより-
日本古来の森と木と共に暮らす文化や営みを大切にし、木と対峙しながら、それに敬意を払うものづくりをする川合優。日本の山や森のこれからのあり方を伝えつつ、多く植林された杉や檜の活用を広げていく活動も続けています。
日本にも古くからある金属のあり方に新しさを吹き込み、独自の感覚と確かな技術で、端正なかたちを生み出し、軽やかで柔らかな印象へと変容させる金森正起。

この度の展示では、川合優と金森正起、二人で制作する木と金属が融合した新たな試みの作品が生み出されます。それは各々の意識が共に重なり合い、共鳴していくかのような時間の中で制作されます。
川合優の木曽檜ノ床と金森正起の僧伽舎の風路(天蓋)は、瞑想的時間や眠ること、時や空間を超越していくような試みがなされています。意識の融合により生まれてくるものは、どのようなあたらしい景色を見せてくれるでしょう。
どうぞご高覧いただきますようお願い申し上げます。