MASARU KAWAI

MASARU KAWAI

自然

2019 10 17

台風一過の朝、いつもの散歩に出かけると、道端に沢山の深い紫色の実が落ちていた。
椋(ムク)の実だ。
口に含むとほんのり甘い。甘さを控えた干し柿のような味。
椋は木偏に京と書く。京は兆の上の単位であり、とても大きい木であることを表している。樹皮は縦にめく(むく)れ、葉っぱはザラザラしていて、昔はサンドペーパーの様に使っていた。

同じく2週間ほど前には、榎(エノキ)の実が沢山落ちていた。
こちらは赤褐色でスカスカのリンゴのよう。

両者とも、鳥に食べてもらい、種を遠くへ運んでもらう目的の実なのだが、微妙に色や味付け、時期が違うのが興味深い。
おそらくターゲットとなる鳥の好みに応じて進化したのだろう。

榎と椋は、樹形や葉のつき方、生えている場所も似ていて、見分けるのが(僕には)難しいが、葉っぱのギザギザが、椋はぐるっと全部ついているっぽいのに対し、榎は先半分にしかついていない。
この違いも、きっと何かの目的があってそうなっているはずだが、その辺りのことはまだ完全に分かっていない、というのがまた良い。
自然はとても面白い。