MASARU KAWAI

MASARU KAWAI

滞在2日目 (2)

2022 10 31

滞在中お世話になっている、誠也さんの森を案内して頂く

写真1
枝に付いているコケ。このコケは環境指標のひとつで、森に多様性がある事の証明になる。

写真2
これもコケ。トナカイの大好物。

写真3
地面はフカフカ。厚み10センチの絨毯を歩いている感覚。コケを剥がすと白い菌糸が張り巡っている。
誠也さんはとにかくコケの重要性の話をされる。コケはフィルターであり、そのフィルターを通った綺麗な水が湖に流れ込む。
スウェーデンでは炭素の固定の2/3をコケが担う。確かに木々の葉は上の方にしか付いておらず、呼吸量としては少なそう。
アマゾンなどでは逆に、ほぼ樹々が炭素を固定している。日本ではどうなのだろう。ご存知の方いましたら教えて下さい。

写真4
チェンソーの挽き粉の跡。ここだけコケが無くなってしまっている。その森の樹の粉であってもコケにとっては負担になってしまう。重機を入れたり、皆伐して急に日光が差し込むなどすれば、致命的だ。
人間のいない時代、森はどれだけ豊かだったか。人間が、これからも生きていくならば、どう森と接するべきか。
大切な何かがここにある気がする。

写真5,6
葉が下の方まで付いている木がトドマツ。幹だけが見えるのが赤松。
スウェーデンは落雷による自然火災が多い。地表近くまで葉のあるトドマツは、この火災によって淘汰されるが、赤松の樹皮は火によって炭化し、火災を生き延びる。

写真7
ブルーベリーとコケモモ
スウェーデンには自然享受件というのがあり、誰の森であっても自由に自然の恩恵を受ける権利がある。素晴らしい事だと思う。そこに制限をかける事は、自然への興味、理解を喪失する事にしか繋がらない。
自然を享受しすぎてこの後下痢になる。

写真8
この太さで樹齢120年。
日本の杉だと50年生くらいの感覚。
いかに日本の気候が恵まれているかが分かる。

写真9
中心に近い部分の年輪が非常に細かい。若い頃、非常に苦労して育って来た木だ。

つづく