MASARU KAWAI

MASARU KAWAI

檜のスツール

2017 04 22

クライアントから送られてきた檜でスツールを作っている。80年ほど前に、彼のお祖父さんが植えたものなのだそうだ。
このスツールは、丸太をナタやクサビで割るところから始めるのだが、この檜、中心に近いほど繊維が複雑に絡み合っており、全く思うように割れてくれない。割れにくい、という事は自然の中でも割れにくい=倒れにくいという事で、つまりこの木が生えていた環境の厳しさと、それに負けないように踏ん張って生きてきた過程が伺われる。
この複雑に絡み合った年輪も、外側、つまり最近の、ある程度大きくなってからの部分は比較的素直な木目をしており、それはつまりこの木が大きくなって競争に打ち勝ち、悠々と育ち始めたことを表している。
この部分は比較的割りやすいのだが、樹皮に近い部分は成長するための栄養や水分が豊富で、虫に食べられやすかったり、材としても収縮が大きく柔らかいので、なるべく使いたくはない。
ということで、難航していましたがどうにか出来そうです。
今度この木が生えていた山を見せてもらうのが楽しみ!